引っ越し先新居に持ち込む大物の中、取り付けが必要で手間と費用がかかる家電のエアコンですが、そのエアコンについて多くの人が悩むことがあります。
今まで使っていた配管(冷媒管)が使えるのかどうか?ということです。
業者さんに依頼すると、必ずといっていいほど配管交換をと言われます。
これは実際のところどうなのでしょう。
交換は必ず必要で、今までの配管を再利用することはできないのでしょうか。
配管交換をする場合には、その料金相場はいくらになるでしょう。
そのあたりを詳しくチェックしていきましょう。
目次
引っ越し先にエアコンを取り付け!配管はそのまま使いたい
よくあるのがまだ買ってあまり年数が経っていないエアコンを持って引っ越すケースですね。
一年しか経っていない、去年の夏しか使っていないエアコンを新居に取り付けたい、買い替えるまでは・・・、そういう場合は当然今の配管を再利用したい!そう思いますね。
それは可能なのでしょうか。
引っ越し業者さんにせよ電気業者さんにせよ、必ず配管交換はすすめるものと思ってください。
このことで悩みと疑問を持つ方が多いようですね。
もしも絶対に今の配管を再利用したい、と業者さんに言えば、業者さんは無理やり取り換えることはしません。
ただ業者さんには理由があるので、そのあたりを見ていくことにしましょう。
冷媒配管は劣化するので交換が必要
配管劣化のしくみ
冷媒配管は二本の銅管です。
その中を冷媒ガスが通ることになります。
冷房利用時に冷媒配管を触ってみていただければかなり冷えて結露までしていることはご存知だと思います。
逆に暖房を使うと配管は熱くなります。
配管の温度差は冷暖房を使うことで、かなり激しいものになります。
この温度差で銅がどんどん劣化していくのです。
では冷房または暖房を使っていないときはどうでしょうか?
常温である室温と配管温度に差が出ていますね。
これだけで劣化が進みます。
劣化した配管を引っ越し先で使うとどうなる?
ただ同じ場所で使っているだけでは、劣化していくことも問題はありません。
いずれはエアコンごと交換することになるからです。
問題はその配管を引っ越し先で再利用するときです。
移動させたものを取りつけることになります。
中古の配管を使うとガス漏れすることがあります。
また劣化した配管を使うとガスが抜けてしまって取り付けても冷えないということが起きてしまいます。
そして長年使って汚染された配管を交換せずに使うと、ゴミや劣化したオイルがエアコンを壊してしまう可能性もあります。
このため業者さんは配管の交換をすすめるわけです。
引っ越し先で配管の再利用はどうしてもできない?
では引越し先で今まで使っていた配管をそのまま使うことは無理でしょうか。
ケースによります。
ただ業者さんが配管の汚染をしっかり確認できないということは知っておいてください。
配管の再利用ができるのは、以下のケースになります。
再利用ができる場合
・配管距離が長くなるため、簡単に交換できない、つまり外壁に配管を這わせるなどで危険作業となる場合
・配管が長いため、料金負担がかなり大きくなってしまう場合
こういったケースでは引越し先で取りつけるエアコンに、配管の再利用をすることもできます。
その場合冷媒ガスが抜けないために先端を加工する「配管先端加工」(フレア加工)をする必要が出てきます。
この費用がかかるかどうかは先に確認が必要です。
再利用ができない場合
再利用ができない場合に多いのが、配管の長さが足りないという理由です。
この場合は使っていた配管を使うことができません。
ここで気をつけなければいけないのが、エアコンの移設取り付け費用です。
最初に取り付け費用を確認しておいてください。
すべて標準工事費に入っているかどうかということです。
もし移設工事後に長さが足りないなど予期できないことが起きた場合、工事費の追加料金が発生するかどうかを、先に確認しておいてください。
エアコン配管交換が必要な場合、その費用相場を知りたい!
配管パイプは一般的には、1mあたり3,000円から4,000円です。
同じ階に室外機を置いて配管交換をする場合には、3~4mと標準的な長さの配管パイプになるので、12,000円から16,000円と考えておいていいでしょう。
1階に室外機を置いて2階に室内機を置く場合には、4mの標準工事にプラスして1mから3mの延長料金が必要になります。
この場合設置費用は約20,000円前後になるでしょう。
また1階に室外機を置いて3階に室内機を置く場合には、4mの標準工事に対し、4~5mの配管パイプをプラスすることになります。
かなりの長さが必要ですね。
工事費は30,000近くになる場合があります。
これはあくまで相場なので、それぞれの業者さんと相談するようにしてください。
まとめ
配管の再利用ができるケースもあります。
ただ業者さんが配管交換をすすめる理由は、ガス抜けを防ぐため、エアコンが壊れるのを防ぐためというのが大きいのです。
特に「夏しか使っていなくてまだ新しいから」というエアコンで、配管を再利用したいということでしたら、新しいエアコンが壊れないために、配管は交換したほうがいいでしょう。
配管を引っ越し先に移動する途中で、今まで壁に這わせていたとは違った形で運搬することになり、その途中で壊れてしまう可能性はゼロではありません。
業者さんと相談の上、良い方法を検討なさってくださいね。